「超算数」に関するツイート(小学校の掛け算順序問題編)
「超算数」とは、
算数における答えが間違っていないにも関わらず、 根拠のない勝手な前提と勝手なルールによって、 減点される、一部の人には直感に反する算数(またはその問題)のこと。
みたいな感じです。
何言ってんだこいつ、みたいな感じですが、
まあ、この「超算数」という言葉の発端になった
元凶(?)のツイートがこちらです。
姪っ子の小3算数テストの採点結果。.0の有効数字に意味があるというのに全く訳がわからない。 pic.twitter.com/dOUIOYzUg5
— kennel@12/31(火)南ラ17a (@kennel_org) 2016年11月16日
この場合の「超算数」とは 3.9+5.1=9.0ではなく、9でないと減点である。 ということです。
それで最近、Twitterで「超算数」に関する興味深いツイートを見かけました。 以下引用。
#超算数 なんてあるんだ。 別に初等教育のごくごく短い期間のことなのになんでそんなにムキになるのかよく分からない。
— yamagashi@あんず@ワサラー団 (@yama1176) 2017年8月22日
掛け算の順序問題について。3×5と5×3は明確に違う。3×5は掛算九九における3の段で、5×3は掛算九九における5の段だからである。 #超算数
— yamagashi@あんず@ワサラー団 (@yama1176) 2017年8月22日
掛算九九における3の段は3ずつ増える。掛算九九における5の段は5ずつ増える。 #超算数
— yamagashi@あんず@ワサラー団 (@yama1176) 2017年8月22日
つまり、3×5は3+3+3+3+3だし、5×3は5+5+5である。 #超算数
— yamagashi@あんず@ワサラー団 (@yama1176) 2017年8月22日
「3つビー玉の入った袋が5袋ある」という問題があったときに、直感的に「3が5個ある」と思うわけで、それを掛算九九に照らし合わせると3が5個あるのは3×5なんですよ。 #超算数
— yamagashi@あんず@ワサラー団 (@yama1176) 2017年8月22日
だって、「3つビー玉の入った袋が5袋ある」という問題なのに、5×3か・・・5×1が5、5×2が10、5×3が15・・・15だ!って、計算はあってますけど、不自然じゃないですか? #超算数
— yamagashi@あんず@ワサラー団 (@yama1176) 2017年8月22日
ここからが、興味深いツイートです(笑)。
#超算数 ここ数年のあいだ繰り返し見て来た周回遅れの何もわかっていない人の典型例を発見したので記録に残しておきます。繰り返し出て来るところに日本の算数教育が(最近ではなく)過去数十年間ずっと失敗続けていることが明瞭にわかります。解説に続く pic.twitter.com/ZIwsZJqzeq
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 【3×5と5×3は明確に違う】【3×5は3+3+3+3+3だし、5×3は5+5+5である】という考え方を子供の心に植え付けること自体が批判されているのに、その批判されている考え方の信者であることを表明しています。自分がどのように見られるかを何も理解していない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 正しい考え方はこうです。「3×5は3+3+3+3+3と5+5+5の両方に等しい。3×5をどちらの意味で使ってもよい。実際の算数の応用ではそのような習慣になっている」です。現実の子供も柔軟で、場面を正確に理解した上で掛算の式の順序にこだわらずに掛算の式を使っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 掛算を利用できる典型的な場面の一つに、同じ個数を含む集まりが複数個あるときの全部の数を求める場面があります(他にもある)。そのような場面であることを認識した子供は掛算の式の順序にこだわらずに掛算の式を用いて正解を出す傾向があります。そして、それは好ましいことです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 掛算の運用については、チョー算数に染まらずに常識を身に付けることができた大人と平均的な子供の傾向はそう変わりません。この好ましい傾向に害を与えた来たのが、過去数十年以上の歴史を持つ算数教育の伝統なのです。算数教育の世界では独自の非常識な算数理論を子供に教え込もうとする。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 「袋が5つあって、各袋にビー玉が3個ずつ入っている。ビー玉は全部で何個か」に言葉ではなく直観で「3個を含む集まりが5つある」とイメージすることと、「5×3」ではなく「3×5」と書くことには異なる頭の使い方が必要です。その違いに気付けない人たちが実に多い。まさに被害者。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 場面をその特別な構造がわかるようにクリアにイメージする能力は極めて重要です。しかし、掛算の式を書くときにどちらの順序で書くかは重要ではありません。もっとはっきり言えば、掛算の順序にこだわりを持っている人の方が無駄なこだわりを持っているという意味で、劣っているのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 子供に算数を教えることは大変なことです。掛算の順序のような形式的でくだらないことに配慮することにリソースを割くとその分だけ他の重要な事柄が確実におろそかになります。現実もそうなっており、場面を構造込みでクリアにイメージすることがおろそかになってしまっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 掛算順序固定強制のためにどのようなことにリソースが割かれているか。「ずつ」のようなキーワードに下線を引かせること。「ずつ」のついた数を掛算の式では先に書くと教え込むこと。このようなことにリソースが割かれています。これについても証拠をすでに何度も示しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 掛算の交換法則は子供にとっては九九を覚えるよりも圧倒的に易しいことなんですね。九九を覚えるのはかなり大変。しかし、モノを長方形型に並べるイメージでどっちの順序でもよいと理解することは易しい。家庭で掛算について教わっていると最初からそう理解している場合もあるでしょう。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 たとえば、東京書籍の算数教科書では2,5,3の段の九九をやった次の4の段の九九の段階で4×3=3×4を例に掛算の交換法則が一般的に成立する仕組みを教えるように編集されています。九九を半分もやっていない段階で子供は交換法則が一般的に成立する仕組みを習うのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 交換法則は子供にとって易しいし、実際に算数の教科書もそのように編集されているという現実を知らずに、交換法則をやる前と後を明瞭に区別しなければいけないような議論をする人達はかなりおかしいのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 現実がそうなっているのに、どうして掛算順序固定強制問題が起こるのか?なんと驚くべきことに、掛算の交換法則を知っている子供が掛算の式の順序をどうでもよいと論理的に正しく考えてしまわないように算数の教科書は編集執筆されていたりするからです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 現実のナマの子供相手の教育なのに、交換法則を教える前後を明瞭に区別しなければいけないという教育的に不適切な考え方をしている人たちであっても、「交換法則を教えた後ならばどちらの順序でもよいことにしてよい」と正しい考え方をしている場合があります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 現実のチョー算数の世界では「交換法則を教えたので、子供が掛算の式の順序はどうでもよいと考えてしまわないように、掛算順序固定強制指導が必要である」ということになっています。教育的に不適切な考え方しかできない人でさえ、これは無茶だと感じるでしょう。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 この話題に参加するときにもっとも重要なことは、自分の頭で想像した自分の心の中だけにある指導法をもとに議論をすすめてはいけないということです。現実が常識では想像できないほどひどいことになっていることが批判されているのだから、あなたの常識的な想像は当然外れている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 証拠物件はいやになるくらい繰り返し紹介して来たので、今回は省略する方針でしたが、説得力を増すために最後に幾つか資料のほんの一部を紹介しておきます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
資料1:小6でxやyを使っていても掛算順序固定強制している。pic.twitter.com/mxBd2Pn6K1
#超算数 一つ前のツイートで紹介したのは啓林館の教科書のマニュアル本(教科書の教師用指導書)の一部分です。2011年版なので現在の版とは違っているので注意して下さい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 資料2:東京書籍の小2算数教科書のマニュアル本より。p.20最下段問題4で掛算の交換法則が一般的に成立する仕組みをやった直後のページで「ずつ」などのキーワードに下線を引かせる掛算順序固定強制指導をやる方針。pic.twitter.com/aKpfFHBQTj
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 資料3:子供には、場面を正しくイメージして、掛算の順序にはこだわらずに正しい答えを出す傾向がある。この調査をした本人は掛算順序固定強制を強化するべきだという意見(ひどい)。https://t.co/egESU9JM09pic.twitter.com/zfFI6DuY
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 「3+3+3+3+3と考えたら5×3ではなく、3×5と式を書かなければ不自然だ」のように感じているチョー算数に頭が犯されている人が算数教育について語る場合には、まず自分自身が有害なチョー算数に頭が犯されていることを自覚してからにしないとまずいと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 チョー算数には過去数十年以上の長い歴史と伝統があるので、チョー算数に頭が犯されている人たちは大量にいるはずです。チョー算数問題の解決にはそのような人達が自分自身がチョー算数の被害者であることを自覚して批判する側にまわることが必要だと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 チョー算数批判者達の中で掛算順序固定強制だけにこだわっている人はほぼ皆無(もしくは極めてまれ)で、掛算順序固定強制問題は氷山の一角に過ぎないという認識だと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
どうしてこんなにひどいことになっているかはまだ解明されていません。資料の紹介を最も歓迎いたします。
#超算数 この話題は、真に常識の範疇外の話です。だから、自分の意見を述べる前に「自分の意見を直接もしくは間接的にサポートする証拠資料を提示できるか」を常に気にしなければいけません。正しい意見は陳腐で大して面白くないのですが、提示してもらった資料は極めて興味深いことが多いです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 資料4:私の財布の中に実際にあったレシート。単価×数量と数量×単価のどちらのスタイルも見付かる。国税庁のウェブサイトでも同様です。算数教科書スタイルの「単価×数量の順序でなければ誤り」は我々の現実社会では非常識な考え方。pic.twitter.com/vRbGnDINAF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 理系超高学歴者の世間一般の平均と比較すると神のごとく数学が得意な人達の中にも「大人になった今でも数量×単価の掛算の順序には違和感を感じる」と言うような人がいます。だから、自分がチョー算数の被害者であると判明してもそう悲しむ必要はないと思う。チョー算数恐るべしな感じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#掛算 #超算数 「どちらでも答えが同じなので掛算の順序はどちらでもよい」と言っているのに「例えば2個ずつ5人に配ることと5個ずつ2人に配ることは違うのに、それらの区別が存在しないと言っている」と読み取ってしまう人達の存在はチョー算数の被害が実際にあることの証拠とみなせる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 2人の子供に5個ずつお菓子をあげます、と言った場合と、あちらにいる3人と合わせた5人に2個ずつお菓子をあげます、と言った場合の「大きな違い」を子供が認識できないだろうと考えるのは馬鹿げていると思う。就学前の小さな子でもこの辺のことの理解力は抜群(笑)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 子供にとって、5個ずつ2人に配ることと2個ずつ5人に配ることの区別は明らかなのですが、それらの違いを5×2と2×5という記号列の違いで表現することは容易ではないし、もちろん合理的でもないし、我々の(小学校外の)社会でもそのようなやり方をするという習慣はありません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 続き。「掛算の順序はどちらでもよい」と言われて「2個ずつ5人に配ることと5個ずつ2人に配ることが違うことを無視するのか!(怒)」と感じる人達は常識に基いて読み取るという国語的能力が害されているともみなせます。この意味でチョー算数問題は国語的に屑な教え方の問題。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
#超算数 資料:朝日新聞花まる先生で肯定的に取り上げられたカルトの洗脳のような掛算順序指導。最後に子供が自ら昆虫の図の脚を7本に増やしているシーンに注目。到底許される授業ではない。人間としてやってはいけないこと。https://t.co/7wBD6Obb7F
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
それがこちらの記事です。 t.co
#超算数 花まる先生から引用【「ちなみに7×6だとどうなるかな」と先生が言うと、出題した男の子は棒状の黒いフェルトをテントウムシの足の部分に一本ずつ追加していった】カルトの洗脳
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
複数匹の昆虫の脚の総数を求める文脈で7×6という式を見たら昆虫が7匹と解釈することを教えるべき。
#超算数 数式から情報を引き出すためには文脈に合わせての適切な解釈が必要なことの説明にリソースを使うのではなく、「7×6だとテントウムシの足が7本になってしまう」と教えるためにわざわざ1つの授業を使ってしまっているわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2017年8月23日
これが現実に高く評価されている先生なわけ。