skytomoの2020年振り返り!
この記事は語学・言語学・言語創作 Advent Calendar 2020の25日目の記事です。
こんにちは、skytomoです。 みなさんのAdventの記事のクオリティが高くて、 ビビっています。 プレッシャーがありますね。
振り返ってみたんですが、 ロジバンやリパライン語、 Discordの言語サーバの楽しかったことや、 やったことをつらつらと書きました。 有益性は、……うーん、あんまりないかもですね、 期待していた方はごめんなさい。 でも、もし、これを読んで楽しそうだと感じたら、 あなたも参加してみるといいですよ!
それでは1月から振り返ってましょう。
1月
運営開始
小さな言語交換会♡nipponjoという人工言語のサーバが本格的に運営に入りました。 このサーバ自体は去年(2019年)の5月にはもうあったんですが、 人を招待することに覚悟が決まらずずるずると2020年はじめまで引きずっていました。
誕生秘話
このサーバを作った理由は人工言語サーバがなかったからです*1。 また、このときロジバンのサーバに入っていて、 日本語チャンネルがかろうじてあるものの、 あんまり居心地がよくなくて、こういうこともあって、 「僕が考える最強の人工言語鯖」を作ろうと思いました。
このサーバを作るときに参考にしたサーバがあります。 いかつぼサーバ*2というDiscordサーバと、 プログラミング言語RubyのSlackサーバです。 後にスクショで例で酒チャンネルを挙げていると思うのですが、 これはRubyのSlackサーバの影響を受けています。 いかつぼサーバには多大の影響を受けていて、 例えば「これすき」とか「きろく」のチャンネルはそのサーバの影響を受けています。
1月の小さな言語交換会の様子
んで、小さな言語交換会というサーバを立てて、人を呼んだんですが、 このときはかーなりロジバンに偏っていました。 今はチャンネル名が「英語と日本語」の組み合わせでできていますが、 当時は「ロジバンと日本語」で書かれていました。 この状態は2月までくらいまで続き、 そのせいでサーバに入ってすぐ出ていってしまう人もいました。
この頃はこんな感じでした。いや、めっちゃロジバン。
2月
2月の小さな言語交換会の様子
この頃に「よく話題になるものは独立したチャンネルとして作る」というルールができました。 今でもこのルールは生きています。 (ちなみにjbopreとはロジバンで「ロジバンをしている人」のことを指します。)
リパライン語との接触
そしてこの月に、きゅうりくんの誘いによって、 私はリパラインDisocordサーバの「初学者のためのリパライン語」の読み合わせ会に参加しました。
第一回の様子、今回は予定通り進行しました。
— Fafs F. Sashimi@eterss'tj snietij melesosti (@sashimiwiki) 2020年2月10日
「初学者のためのリパライン語」の読み合わせ会第二回を2/14 20:30くらいから始める予定です。第二回の内容は「名詞(代名詞、格、緩衝音)」を扱う予定です。
ご興味のある方は是非Lineparine Disocordにお越しあれ! pic.twitter.com/DlWitR5i4T
サーバの脱ロジバン化
リパライン語サーバにも小さな言語交換会のサーバのリンクを貼ったので、 このときに人が少し増えました。 しかし、チャンネル名にロジバンが含まれていたりと、 かなり偏っているので、サーバに入ってすぐ出ていってしまうことがありました。 (当時のskytomoはだいぶロジバン主義だったのですね……とこの記事を書きながら思っています)
さすがに思うところがあったのか、 チャンネル名をロジバンから英語にして、 ついでに英語チャンネルも開設することになりました。
このとき、他にも色々チャンネルが欲しいということになり、色々チャンネルを作ってみたのですが、「人の集まらないうちに無計画にチャンネル増やしても錯綜とするだけでは?」というご指摘を頂き、アンケートを取ることになりました。
アンケートの結果、「ある程度話されるようになったら、チャンネルを新しく作る方がいい」が選ばれました。これは正解だと思っていて、乱立していたらサーバが過疎過疎になってしまっていたでしょう。かそろさんありがとう!あっ、ぴあにすつさんこんにちは~
3月
何故か訳語検索ができるリパライン語辞書
公式にリパライン語辞書があったのですが、 初学者の私は訳語検索できないことに不便を感じていました。 そこで、コードを書いて公式辞書から訳語検索ができる辞書を自動で生成するプログラムを書きました。 当時の辞書の名前は「何故か訳語検索ができるリパライン語辞書」でした。
ソースコードはこちらです。 github.com
3月の小さな言語交換会の様子
3月頃からコロナが本格的に猛威を奮ってきて、サーバにも影響を及ぼしました。
そういえば、ワニくんも3月に死にましたね。
あんまり思い出したくないですね。
4月
アルビス加入
仮想世界アルビスのメンバーとして参加しました。 言語を担当しています。 しかし、今年はアルビスに関してはほぼ全くと言っていいほど、進捗がありませんでした。 ぴあにすつさん、ごめんなさい。
来年の目標として、アルビスの言語製作を進めていきたいと思います。
ロジバンのすすめ
2020年4月24日に開催された「鹿児島.mk #8 オンラインLT会」で、 「ロジバンのすすめ」と題目でロジバンについて発表しました。 発表資料はこちらになります。 speakerdeck.com
5月
「何故か訳語検索ができるリパライン語辞書」の作者の発見
もともとは訳語検索ができるリパライン辞書は自分用に作ったもので、 まあでももしかしたら他の誰かにも需要があるかもしれないからと思って、 ZpDIC Onlineに登録していました。 この頃はZpDIC Onlineに辞書の登録者が誰なのか分かりませんでしたし、 僕が公表していたわけではないので、 悠里の人はこの辞書を誰が作ったのかが分かりませんでした。 5月頃にこのツイートに気づいて、
Sashimiさんに「私が作りました」って言いました。これかなりしっかりとできているんだけど、celetisみたいに「義の一つが口語である際に単語全体に口語タグが」とか、品詞「前置詞】【接続詞」が出てしまうとかのOTM-JSONの泣き所もあり、かつ元のデータの不規則(narjuとか)もつらい
— jekto.vatimeliju@hsjoihs@.sozysozbot. (@sosoBOTpi) 2020年4月16日
何故か訳語検索ができるリパライン語辞書https://t.co/aapecQFseQ
最初は自己満足のために作ったのですが、 6月までに色々改良して、 最終的にリパライン語の公式サイトにリンクが貼られました。 公認の辞書になったのです!(やったね!) 辞書の名前も「何故か訳語検索ができるリパライン語辞書」から、 「【ZpDIC版】リパライン語辞書」に変わりました。
これは6月に実装したものなんですが、
こういうプログレスバーとか作って、 結構楽しんで作っていました。リパライン語辞書を変換するプログラムでプログレスバー表示させるようにしたら、ちゃんと変換している感じがして、見てて面白かった pic.twitter.com/C4CiHWEkGv
— skytomo (@skytomo221) 2020年6月27日
6月
リパライン語緩衝音頻度分析プログラム
リパライン語って緩衝音があるんですよ。 例えば、以下の表にリパライン語がありますが、
単語 | 意味 |
---|---|
mi | 私 |
-ss | 複数形 |
-'s | 主格(~が) |
これらを単純にくっつけると「mi」+「-ss」+「-'s」=「miss's」となります。 意味は「私達が」です。 しかし、これって実際に発音するとわかるのですが、 「ミズズ」みたいになって非常に発音しづらいのですね。 こういうときに、子音と子音の間に緩衝母音を入れることによって発音しやすくします。 今回の場合は間に「-e-」が入って「misse's」となります。
まあ簡単そうなんですが、 具体的にどういうときにこの緩衝音が入るのかが分からないのですね。
例えば、 pi'en(ピエン;「東」の意味)と-sti(スティ;呼格)を組み合わせると、 pi'ensti(ピエンスティ)になると思うのですが、 どうやら実際にはnとsの間に緩衝母音-e-を入れて、 pi'enesti(ピエネスティ)となることが多いそうです。
というわけで、 前後の音がどういうときに緩衝音を入れるべきか、 入れないべきかを調べたわけです。
ところどころ怪しいけど、らしくなってきたな…
— skytomo (@skytomo221) 2020年6月14日
リパライン語で緩衝母音を入れずに「miss'd」にすべきか、緩衝母音を入れて「misse'd」にすべきか迷ったら、行sと列dの交わるところを見ると90%の割合で緩衝音が入っていることが分かるので、「misse'd」の方が無難ということが分かるという。 pic.twitter.com/v1ImsWvFgF
ソースコードはこちらです github.com
eularqunesykaxm
そして、リパライン語の緩衝音についてもっと手軽に見れるようにeularqunesykaxmというサイトを作りました。 skytomo221.github.io これを見れば、緩衝音を入れるべきか、入れないべきか、簡単に分かります。やったね。
ちなみに、eularqunesykaxmはeula(緩衝音) + -r-(接中辞*3) + qune(知る) + -syk(簡単に~できる) + -axm(する機械)の造語ですね。 つまり、緩衝音を簡単に知ることができる機械っていうことです。
ZpDIC Onlineのバグ
「【ZpDIC版】リパライン語辞書」には問題がありました。 何故か文字化けしていることがあるのです。 これはjekto.vatimelijuさん(Hsjoihsさん)に指摘されました。 んで、調べたんですが、これはZpDICにアップロードするときに発生するということが分かりました。 こういうことってあるんですね。 ZpDIC Onlineがどのような処理をしているかソースコードを見ていないので分かりませんが、 どちらにせよこれは厄介なバグだなと思いました。 なにせ10000語くらい単語が収録された辞書に30箇所しか文字化けが発生しないのです。 毎回ランダムで発生し、再現性がしにくい。
このバグは今も未解決ですが、 文字化けしていない辞書が欲しい方は、 自分でビルドするか、 僕に言えばいつでも最新版をあげますので、 気軽に頼んでね。
7月
menhera.org
menhera.orgの発表会がありました。 私の建てた「小さな言語交換会♡nipponjo」という人工言語のサーバについて話しました。 発表会の様子はYouTubeで公開されるようですが、私はまだ観測していません。 発表資料は小さな言語交換会のサーバ内で公開されています。
他の方も色々と発表して面白かったのを覚えていますね。 中でも印象に残っているのが、 想像地図さんの駅名だけで歌うシリーズですね。 発表会の休憩中流れていましたが、好きです。
8月
8月の小さな言語交換会の様子
日本のトキポナサーバを探しに来た方がいるようで、
結局、ここのサーバに呼んでみることになりました。 この月はトキポナの需要が上がりました。
9月
9月の小さな言語交換会の様子
来年はサーバの誕生日もちゃんと祝いたいですね。
10月
genturcta
ロジバンには方言があります。 方言とは言っても、 パーサが違うだけなので、 どちらかというと言語の方言よりかは、 プログラミングのコンパイラの方言の方が近いですね。 さて、そのパーサ(方言)の違いを見比べる方法は、 あることにはあるのですが、 修飾の関係をもっと分かりやすく見る方法はないかと思って、 手軽に構文解析を見れるgenturctaを作りました。
サイトはこちらになります。 skytomo221.github.io
百聞は一見にしかず、ということで実際にやってみればわかると思います。 例えば「mi prami do」と入力して、構文解析してみてください。 多分こんな感じになると思います。
11月
Advent Calendar 2020
ついにこの月がやってきました。 11月からAdvent Calendar を登録できるのです。 実は私は2020年1月3日にはすでにこのAdvent Calendarを計画していました。
ただ当時は「ロジバン Advent Calendar 2020」を計画していたようですね。 いや、ロジバン好きすぎかよ。
ところで、応援たんにもAdvent Calendarの宣伝をしてもらいたくてDMを送ったのですが、 返事はありませんでした。 忙しい中、連絡してすみません。
日本言語製作共同研究会
あずまにゃんさんが作った日本言語製作共同研究会というDiscordサーバに参加しました。 Nipponjoと違って、活気が良くて、より製作するということに重きを置いています。 スクショはモラル的にここには晒しませんが、言語製作者にはおすすめのサーバです!
12月
AdventCalendarに4つも投稿してしまったので、12月はそれを処理するのに精一杯でした。文字通り師走!って感じですね。
イベントがありました。
計劃造語會
多々井さんに紹介されました。
ここは計画的に造語をする会。 語彙範疇を設定して分析を行ったり議論する。 議論した成果は最終的に決められた形式で記録される。
語彙を作るのに苦労しそうなので、来年はとてもお世話になるサーバかもしれません。
来年の目標
今年の一番の成果はサーバを作ったことだと思います。 次にリパライン語の辞書の作成ですね。
来年は以下の大きな目標を達成したいです
- サーバをもっと盛り上げていく
- アルビスにおいても成果物を出す
具体的な目標は言うと、 叶わないことが多いので言いません。 というのも、途中で方針が変わって目標が変わることがよくあるからです。
まあそんなことより来年もみなさんと一緒にいい言語ライフを送りましょう! いい年を!メリークリスマス!